猫が脱走した時の探し方|慌てずまずは近所を探そう!

 

猫が〇〇から飛び出した!』、『猫が〇〇から逃げた!』、という経験はできればしたくないものですが、ふとした瞬間に猫が外へ出ていってしまうことがあります。

例えば、玄関の出入りの際に足元をすり抜けていったり、ちょっとだけ開けていた小窓をすり抜けたり。引き戸を開ける猫であれば自力で網戸や窓を開けて外へ行ってしまうことも。

すぐに帰ってきてくれるか、捕まえることができればいいのですが、猫の姿を見失ってしまった場合は、事故に遭遇する危険性がでてくるため、できるだけ早く探しに行ってあげましょう。無事に保護できるかどうかは最初の7日間が重要となってきます。

猫が脱走したときの探し方

猫が脱走したときの探し方は、飼育環境によってやや異なってきますが、基本的な方法は変わりません。

  1. 探しに行く前に、猫のための入り口を用意
  2. 家の周囲・近所を捜索 ⇒ 徐々に捜索範囲を広げる
  3. 猫の迷子ポスター・迷子チラシを作成
  4. 警察署・動物愛護(管理)センター/保健所に連絡
  5. 動物病院や動物保護団体に連絡

1.探しに行く前に、猫のための入り口を用意

探している間に、猫が自力で戻ってくる可能性があります。その時に家を締めきっていては、またどこかへ行ってしまうかもしれません。

どこか1ヶ所は猫が入ってこられる隙間を作っておきましょう。例えば、小窓を開けておくか、玄関や窓を少し開けてロックしておくなど、防犯に注意しつつ入り口を作ってあげてください。

また、入り口から少し入ったところに、フードや美味しいおやつを用意しておきましょう。匂いにつられて戻ってくるかもしれません。

多頭飼育の場合は、他の猫が脱走する危険性もあるので、窓を開けている部屋に他の猫が入らないようにしておくか、他の猫をケージに入れるなどの工夫も必要です。

2.家の周囲・近所を捜索⇒徐々に捜索範囲を広げる

完全室内飼育の猫の場合、家の中と異なり、外は未知の領域。大胆にあちこち歩き回るよりは警戒してどこかに隠れながら、少しずつ移動していくはずです。

脱走した猫の約1/2は脱走した場所から半径50m以内で見つかったとの報告がありますので、まずは自宅の周囲とご近所を探してみてください。

探す時には猫の気持ちになって、猫目線で周囲を見ましょう。小さな猫の体であれば、低木の茂みの中や植木鉢の間、自販機や室外機の隙間、車の下、デッキ下や玄関周囲の物陰、車庫や物置といった身を隠せる場所があちこちにあるはずです。

こういった場所は昼間でも見えにくいため、よく探してみてください。懐中電灯を持ち地面に膝をついても大丈夫な服装で探しましょう。普段の声で優しく名前を呼びながら探すと、小さな声で応えてくれることもあります。

名前を呼びながら、大好きなご飯やおやつの入った袋を片手に探してみましょう。

※ご近所のお庭などにお邪魔する際は、猫を探していることを伝え、許可をいただいておきましょう。

自宅周辺で見つからない場合は、徐々に捜索範囲を拡げていく必要があります。完全室内飼育の猫であれば、半径200mの範囲まで捜索範囲を広げます。

リード付きでお散歩する猫も含め、外へ出歩く機会が多い猫の場合、自宅内だけでなく外にもテリトリーを持っていることになります。

避妊・去勢済みの猫の場合は、テリトリーはおおよそ半径50~200mの範囲になります。避妊・去勢していない猫の場合であれば、その範囲は更に広く半径500m前後となります。

通常、テリトリー内にいれば、猫は自分で戻ってくるはずです。それが戻ってこないとなれば、他の猫と喧嘩してどこかに入り込んで怯えて動けなくなっていたり、事故にあって怪我をしていたり、誰かに保護されていたり、といった可能性があります。

外へ出歩く機会の多い猫の場合は、最初から捜索範囲を広めに設定しておいた方が見つかりやすくなります。猫の散歩コースが決まっていたり、テリトリー範囲がわかっていたりするのであれば、まずはその範囲内を重点的に探してみてください。

2~3日たってもその範囲内に見つからない場合、捜索範囲は半径500m~2Km内にまで広げる必要があるかもしれません。未去勢の雄猫の場合は、更に遠くまで移動している可能性も考えられます。

捜索範囲が広くなったり、脱走してからの日にちが経過してきたりすると、個人では探しきれません。自宅周辺や近所を家族だけで探しても見つからない場合、猫の迷子ポスター・迷子チラシを作成し周囲の協力を求めましょう。

3.猫の迷子ポスター・迷子チラシを作成・配布

猫が脱走して飼い主さん個人では見つけられない場合、猫の迷子ポスターや迷子チラシを作成し、周囲の協力を求めることをお勧めします。

ポスターやチラシには、次の事を明記しましょう。

  1. 愛猫の名前、性別、年齢
  2. 愛猫のカラー写真(最低でも1枚)と特徴(見分けるポイント、病歴があればこれも記載)
  3. 飼い主の名前と連絡が取れる電話番号やメールアドレスなど

この他、愛称や性格についても一言記載しておくと、相手の記憶に残りやすくなります。また、「見つけてくださった方にお礼いたします。」と一言添えておくのも効果的な場合があります。

行方不明になった場所や日時については、自宅の周辺に配布する場合は記載しておくことをお勧めしますが、遠方の場合や日数が経過している場合は記載しない方が良いこともあります。

迷子ポスターは一般的なA4かB4サイズで、迷子チラシは手に取ってもらいやすいA5かB5、あるいはハガキサイズがお勧めです。

ポスターは、許可を得て地域の掲示板やゴミ捨て場など、人が足を止めやすい場所に貼ったり、近隣のスーパーやコンビニ、大型薬局など人が集まりやすい場所と動物好きな人が訪れるペットショップや動物病院、ペットの美容院(ペットサロン、トリミングサロン)などにお願いして貼らせてもらったりしましょう。

可能であれば、ポスターの下にチラシを複数枚添えておけば、関心のある人が手に取りやすくなります。

※電柱に貼る場合は、電力会社や電話会社など、その電柱の管理者の許可が必要です。

チラシは郵便受けに入れたり、近隣住民の方に手渡ししたりするほか、ウォーキングや犬の散歩をしている方、通学路を見守ってくださっている方など外をよく歩く人々へ手渡しして気にかけてくださるようお願いするとより効果的です。

また、迷子ポスターや迷子チラシと並行して、インターネット上の迷子ペット用の掲示板やSNSを利用するのも効果的です。

無事に発見できたときは、ポスターを回収するだけでなく、機会があれば、協力してくださった方々に報告することも忘れないでください。

4.警察署・動物愛護(管理)センター/保健所に連絡

ペットは飼い主の所有物であるため、『警察署に遺失物届けを出すこと』が必要です。

猫が行方不明になった場合、まずはお住まいの地域を管轄している警察署に届け出をしてください。ついで保健所や動物愛護(管理)センターに連絡しましょう。

この際に、写真やチラシがあれば一緒に持っていくと良いでしょう。市区町村の隣接している地域であれば、近隣市区町村の警察署・動物愛護(管理)センター/保健所にも連絡しておきましょう。

5.動物病院や動物保護団体に連絡

外出する機会の多い猫が帰ってこない場合、交通事故にあっている可能性や他の猫と喧嘩したりして動けなくなっている可能性などが考えられます。

また、初めて家から逃げ出した猫でも、やはり交通事故に遭遇したり、慣れぬ環境でご飯を食べられず体調不良で動けなくなったりしている可能性があります。

こういった猫たちは見つけた人が親切にも動物病院に連れて行ってくれたり、動物保護団体に連絡してくれていたり、自宅で保護してくれていたりすることがあります。

動物病院へ、『飼い主は誰かわからないが、近所でよく見かける猫が車に轢かれた』と段ボール箱に猫を入れて連れてくる方々がたまにいらっしゃいます。

かかりつけの動物病院はもちろん、近隣の動物病院にも迷子ポスターやチラシを置かせてもらえないか訪ねて行った時に猫が連れ込まれていないかどうかの確認もしておきましょう。

また、近隣に動物保護団体があれば、連絡してみてください。時に、探し方についてのアドバイスなどをいただける場合もあります。

最近は、行方不明のペットを探してくれるペット探偵も増えてきました。お住まいの地域によっては、こういった手段を頼ることも可能です。

探偵によっては相談やアドバイスを受け付けてくれるところもあります。時間的に探す余裕がない場合、頼ってみるのも一つの方法です。

猫を探す時に用意しておきたい物は以下になります。

  • 懐中電灯
  • 好物のおやつやフード/缶詰
  • 厚手のバスタオルなど
  • キャリーバッグ

猫が潜んでいる場所をチェックするための懐中電灯、怯えて警戒しているかもしれない猫をおびき寄せるためのおやつやフード、缶詰は必需品です。

猫が見つかったら、しゃがんで、優しい声で名前を呼んであげながら、おやつやフードで猫を手元まで引き寄せましょう。大好きな缶詰をその場で開ければ、その音で近寄ってきてくれる可能性もあります。

猫が近寄ってきたら、優しく声をかけながらフードを少しずつ食べさせてあげましょう。触れられるようなら、そっと触れて抱きしめ、そのままキャリーバッグに入れます。

怯えたり警戒している猫は捕まえられるとそれが飼い主であってもパニックを起こし、噛んだり引っ掻いたりする可能性があります。触れられることに怯えるようであれば、素早く捕獲し厚手のバスタオルなどでくるんでそのままキャリーバッグにそっと入れてあげましょう。

猫を発見後は動物病院へ

普段からノミダニ予防をしていない場合や、外をさまよっていたり、他の猫と喧嘩した形跡があったりするようであれば、脱走中にノミやダニなどの寄生虫や種々の病原菌に感染している可能性、脱水や栄養失調を起こしている可能性などがあります。

なるべく早めに動物病院で診ていただくようにしましょう。特に同居動物がいる場合は、自宅へ連れ帰る前に診ていただくことをお勧めします。

猫が脱走したときの帰ってくる確率

猫がふとした瞬間に脱走してしまうのは、海外でもよくあるようで、脱走した猫が戻ってくる確率についての調査論文が幾つか報告されています。

猫に脱走される確率は?

過去5年間のうちに、飼っている猫が1度は脱走した経験を持つ飼い主は15%と報告されています。ちなみに、犬の場合は14%でした。

出典元:https://doi.org/10.3390/ani2020301

Frequency of Lost Dogs and Cats in the United States and the Methods Used to Locate Them Animals 2012, 2(2), 301-315

猫が脱走した場合の帰ってくる確率や探し方は『猫が脱走してしまった時に帰ってくる確率と探し方』の記事でも詳しく紹介されていました。

猫が脱走するパターン

飼育環境によって脱走する確率に違いはあるのでしょうか?それに関して調べた論文がありました。

室内飼育 37%
室外飼育 25%
室内-室外飼育 31%
移動中 2%
馴染みのない場所(預け先) 5%

結論として、飼育状況による違いはあまりないようです。室内飼育だから脱走しないと考えるより、室内飼育だからこそ、注意が必要かもしれません。

出典元:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5789300/

Search Methods Used to Locate Missing Cats and Locations Where Missing Cats Are Found Animals (Basel). 2018 Jan; 8(1): 5.

行方不明になった猫が見つかる確率は?

猫が行方不明になり、必死で探している飼い主にとっては猫が見つかる確率はとても気になるものです。そして、もう一つ気になるのは、いつまで探し続ければ、ということかもしれません。

前述の引用論文内では、行方不明になった猫が生存して見つかる確率は64~75%とされています。その中の一つには見つかるまでの期間についての記載がありました。

行方不明になってから発見までの日数とその割合

  1. 行方不明になった猫のうち、7日以内に発見されたのは34%
  2. 30日までに発見された割合は50%
  3. 61日までに発見された割合は56%
  4. 1年後までに発見された割合は61%
  5. 4年後までに発見された割合は64%

1週間以内に脱走した猫の約1/3が見つかり、1ヶ月以内に半数が発見されています。猫が脱走した場合、最初の1週間から1ヶ月が捜索に最も重要な期間であると言えるでしょう。脱走に気づいたらすぐに探し始めるようにしましょう。

粘り強く探し続けることで発見できる確率は徐々に上がっていっていますが、1年後と4年後の違いはわずか3%です。

いつまでも探し続けることは様々な事情により、また、気力・体力的にも無理な場合もあります。1ヶ月ないし2~3ヶ月を区切りとして覚悟を決めるのも一つかもしれません。

猫が脱走しない為にできること

猫が一番脱走しやすい場所は、玄関や勝手口、窓、ベランダです。特に玄関は人が開け閉めしている隙をついて足元をすり抜けていくことがあります。こういった所に一工夫をしておくと脱走される可能性は低くなってきます。

玄関・勝手口周りの工夫

玄関や勝手口で注意したいのは家人の出入りだけでなく、宅配便の受け取りや来客です。宅配便の受け取り時や来客時には猫が逃げないような場所(例:完全に扉の閉まった別室)にいるかどうかをチェックしておきましょう。

玄関や勝手口の手前に猫が飛び越えられない高さのゲートを設置しておくのもお勧めです。『うちの子はかなりの高さまでジャンプする』といった場合は、ゲートの上からカーテンを吊るしておくと、ジャンプしづらくなります。

窓やベランダでの工夫

窓やベランダへ続く窓の網戸を開けて、あるいは、破って脱走する場合もあります。ベランダへの出入りは玄関周りと同様に注意しましょう。

勝手に網戸や窓を開けられる猫の場合は、網戸や窓をロックしておく習慣を普段から心がけましょう。網戸を破ってしまう場合、猫が破れない網に張り替えておくことが大切です。

猫の生活環境を豊かに

猫の居場所を心地良く整えてあげることも大事です。三次元で遊べるよう、家具の配置を考えたり、キャットタワーなどを設置したりしてあげましょう。

また、くつろぐためのベッドやストレス発散用の爪とぎ、おもちゃを複数用意してあげるのも一つです。トイレが汚いと、もっときれいな排泄場所を求めて外へ行ってしまう可能性もあるため、トイレはこまめに掃除しておきましょう。

避妊・去勢を

避妊・去勢をしている猫は、発情に伴って脱走する可能性がなくなります。また、避妊・去勢をしてある猫はそうでない猫に比べ脱走後に発見される確率が2倍以上との報告があります。

出典元:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17223754/

Search and identification methods that owners use to find a lost cat.
J Am Vet Med Assoc. 2007 Jan 15;230(2):217-20.

避妊・去勢をしている猫は、そうでない猫に比較し、テリトリー範囲が狭く、移動距離も少ない傾向にあるため、脱走しても見つかりやすいことが関係しているかもしれません。

避妊・去勢をしておくことは脱走予防だけでなく、脱走後の発見しやすさに繋がる可能性が高いため、将来的にその猫の子供を望まない場合は早めに避妊・去勢をしておくことがお勧めです。

マイクロチップや迷子タグを

外出する機会の多い猫はもちろんですが、そうでない猫も何かのきっかけに脱走してしまうことがあります。

また、予期せぬ大災害で猫と離れ離れになってしまうことも昨今では0とは言い切れません。そんなときのために、あらかじめマイクロチップや迷子タグを装着しておくなどの対策を講じておくとよいかもしれません。

まとめ

猫が脱走してしまった時、最初の1週間から1ヶ月が最も猫を発見しやすい期間です。まずは家の周囲と近所を探してみてください。

近所の人々を含め、近くをウォーキングしている人や犬を散歩している人の目撃情報は猫の居場所を特定するための重要な手掛かりとなることがあります。

猫の写真や特徴、連絡先を記載したチラシを配布したり手渡ししたりしながら、猫を探していることを伝え、協力を求めましょう。地道に歩いて探すこと、ポスターやチラシを配布することが最も愛猫に繋がる捜索方法です。

これに平行して、必要な行政機関や動物保護団体にもこまめに連絡してみましょう。

最も発見しやすい期間を過ぎてからでも発見できる可能性はあります。とある猫(雌・避妊済み)が預け先から脱走し、3か月後に預け先からたった10m離れた場所で発見できたという実話があります。

チラシを配布したご近所の方が見かけて連絡をくださり、何度か飼い主が現場に通って探しているうちに猫と遭遇、無事猫を確保できたそうです。

どんな状況で脱走したのだとしても、あきらめずに探すことで見つかる可能性はあります。脱走された場合は焦るものですが、頑張って落ち着いて一つ一つ対処していきましょう。